能登大橋へ続く啓開道路の補強工事に 「ジャイロパイラー™」「GRBシステム™」採用

~地すべり区間で交通を維持したまま安全かつ急速に土留め壁を構築~

2024.10.11 ニュースリリース

令和6年能登半島地震、さらには令和6年9月能登半島豪雨で被災されました皆様に衷心よりお見舞い申し上げます。
鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー™」が、能登大橋へ続く啓開道路の補強工事に採用されました。株式会社技研施工(本社:高知市、代表取締役社長 CEO:西川昭寛)が、橋台側方の地すべりを防止しながら工事を実施。能登大橋付近は令和6年能登半島地震による崩落等の被害が大きく、「のと里山海道」で唯一、片側交互通行規制が続いていましたが、本道路啓開工事により9月10日から全ての区間で対面通行が可能となりました。
現場は、上下2車線のうち金沢方面へ向かう上り線で橋台側方の法面が再び崩落する恐れがあり、土留め壁の構築が急務でした。また、工事中も下り線を使った片側交互通行を維持することが求められ、他工法では必要となる作業スペースとしての仮設構台が要らない「GRBシステム™」を投入しました。軽量・コンパクトな機械装置が既設杭をしっかりとつかみ、杭上で稼働し作業を完結。崩れやすく狭隘なスペースの中、安全かつスピーディーに完工しました。
発注者である国土交通省や、道路利用者からは「圧入機の搬入から組み立て、圧入までの一連の作業をあの狭いスペースで行えることに驚いた」などの声が上がり、当社技術に対する関心の高さが伺えました。被災地では、地震に加え令和6年9月能登半島豪雨の爪痕がいまだ大きく残っています。石川県金沢市に設置した能登復興支援室を中心として、引き続き情報収集、発信を行い、被災地の復興をより一層加速してまいります。


工事内容

現場は、能登地域の大動脈として経済を支えてきた「のと里山海道」区間で、能登大橋の始点となる橋台付近です。令和6年能登半島地震により、上下2車線だった道路の一部が崩落。橋台側方の法面が崩れやすくなっており、金沢方面へ向かう上り線は通行に際し再崩落が危惧されていたため、片側交互通行規制が続いていました。
工事では、「ジャイロパイラー™ F401-G1200」と「GRBシステム™」により、長さ23.5m、直径800㎜の鋼管杭を34本圧入。延長34mにわたって、土留め壁を構築しました。

採用理由

【他工法では工期等に課題】
他工法は大型の重機やクレーン、資材等を転倒の危険性がない安定した場所に置いて施工します。そのため狭隘な本現場では、下り線の車線上を使用することになり、通行止めが避けられませんでした。交通を維持するには、法面に作業スペースとして仮設構台を構築する必要がありますが、法面は崩れやすく、また仮設工事には時間と費用がかかります。大型の振動式杭打ち機を使用する工法は、振動が地盤に影響を与え、崩落が進むことも懸念されていました。加えて現場は、施工時に撤去作業が必要な転石が埋まっている可能性が高く、工期が長引く恐れもありました。
【“仮設レス”“無振動・無騒音”で速やかに完工】
「GRBシステム™」は、杭の建て込み・圧入など圧入施工の工程を杭の上で行える施工システムです。機械装置は軽量・コンパクトで、既設杭をしっかりとつかんでいるため、原理上転倒の危険性がありません。また「ジャイロパイラー™」なら、振動を抑えながら施工が可能。先端に切削爪を付けた鋼管杭を回転圧入するため、転石をはじめ硬質地盤や既存構造物を貫通しながら、粘り強い構造物を急速構築できます。今回、“仮設レス“、”無振動・無騒音“など当社技術の優位性を発揮し、安全性、急速性、経済性の高い工事を実現しました。


片側交互通行を維持しながら施工


圧入完了後、9月10日から対面通行が可能に

■工事概要

工事名令和6年能登半島地震 能越自動車道道路啓開工事その6
工事場所石川県鳳珠郡穴水町上野町地先から石川県鳳珠郡穴水町越の原地先
発注者国土交通省 北陸地方整備局
元請業者鹿島建設株式会社
施工業者株式会社技研施工
使用機材ジャイロパイラー™ F401-G1200、クランプクレーン™ CB3-6
杭材型式・寸法鋼管杭34本(直径800㎜、長さ23.5m、1箇所継)
圧入工工期2024年7月16日~8月5日

■技研グループ概要
「圧入原理」を世界に先駆け実用化した杭圧入引抜機「サイレントパイラーTM」を製造開発し、その優位性を生かしたソリューションを提案・実践しています。無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や津波、洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築――。圧入技術が提供するオンリーワンの価値は、世界の建設課題の解決や国土防災に貢献しており、採用実績は 40 以上の国と地域に広がっています。


【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社技研施工
東京本社/千葉県浦安市港75番地1
TEL:047-318-9111(平日8:00~17:00)
高知本社/高知県高知市布師田3948 番地1
TEL:088-803-1192(平日8:00~17:00)
E-mail:sekok-somu@giken.com