インプラント堤防TMは、鋼矢板や鋼管杭など剛性の高い許容構造部材を地中に連続して打ち込み構築される堤防です。インプラント構造TMの連続杭が、地震動による液状化・地盤沈下・側方流動や津波などの外力に粘り強く耐え、堤防機能を維持します。 地震や津波の被害が想定される海岸や河川に構築(または既存堤防を補強)することで、被災時の堤体損壊を防ぎ、人的被害と経済損失を最小限に食い止めます。
地震や津波でも破堤しない粘り強い堤防
「許容構造部材」を挿し込むだけのシンプルな構造
インプラント堤防TMは、躯体部と基礎部が一体となった許容構造部材を地中に挿し込むだけで構築されるシンプルな構造のため、早期に構築し機能を発揮させることができます。また、構造部材は鋼矢板や鋼管杭など様々な部材から選定でき、目的や用途に応じた合理的な設計を行うことができます。
優れた耐震、耐津波性能
インプラント堤防TMは、地震・津波・地盤沈下などの複合災害に粘り強い堤防です。 耐震性については、地震動で堤防の法面が崩壊してもインプラント構造TMの杭連続壁は根入れが確保され大きな変形を生じません。また、杭連続壁によって液状化地盤の側方流動が抑制されることから堤体の沈下量が抑えられます。さらに杭先端を非液状化層まで根入れすれば、杭自体の沈下も発生せず堤体高を維持できます。津波に対しても、越流などで法面が崩壊してもインプラント構造TMの杭連続壁は形態が保たれ、堤防機能を維持することができます。 インプラント堤防TMは、地震や津波などの発災後に、耐え残った杭天端を利用し覆工板などを架設することで緊急輸送路やポンプ車による排水作業基地などとして活用でき、被災地の早期復旧にも役立ちます。
適用例
東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県の沿岸部や、南海トラフ巨大地震への備えが早急に求められる高知県の沿岸部など、全国各地でインプラント堤防TMの導入が広がっています。
■高知海岸堤防改良工事 仁ノ工区 (高知県高知市)/国土交通省 四国地方整備局 高知河川国道事務所
■高知海岸堤防改良工事 新居工区 (高知県土佐市)/国土交通省 四国地方整備局 高知河川国道事務所
■大船渡港永浜地区海岸防潮堤工事 (岩手県大船渡市)/ 岩手県 沿岸広域振興局
■定川河川災害復旧工事(宮城県東松島市)/宮城県 東部土木事務所
■海岸対策工事(愛知県豊橋市)/愛知県 東三河建設事務所
■道路災害防除工事(神奈川県鎌倉市)/神奈川県 藤沢土木事務所