世界各地で頻発する記録的な集中豪雨や強い地震動などが引き起こす地すべりを、強靭なインプラント構造TM式の抑止杭と土留め壁によって事前に防止します。安定地盤まで根入れした杭を間隔を空けて設置することで、降雨で急激に増加する地下水を通しながら、連続壁によって土塊の移動で発生する地すべりを防ぐ仕組みです。設置に関しては、杭の上を自走する圧入システム機器により、住民生活や周辺環境への負荷を最小限に抑えながら、予期できない災害発生に備えた急速施工を実現しています。
高い強靭性を持つ抑止杭の急速施工
東京都大島町での導流壁(導流堤)の緊急施工
2013年10月、台風26号の直撃を受けた伊豆大島では過去最大の降雨量を記録し、火山地帯である大金沢地区で大規模な斜面崩壊と泥流が発生して、35名以上の死者を出す大災害へと発展しました。溶岩の上に堆積した火山灰を主体とする表層土が崩壊し、山の木々ごと押し流していったのです。東京都は緊急対策を講じ、その一環として、インプラント工法TMによる導流壁(導流堤)が構築されました。溶岩で形成された地盤は固く、「クラッシュパイラーTM」という硬質地盤専用機を用いた圧入工事となりました。