株式会社技研施工(本社:高知市、代表取締役社長:西川昭寛)が参画した日本の ODA(政府開発援助)案件「セネガル国ダカール港第三埠頭改修計画」が、公益社団法人土木学会が表彰する「令和 4 年度土木学会賞技術賞(Ⅱグループ)」を受賞しました※。本賞は土木技術の発展に大きく貢献し、社会の発展に寄与した画期的なプロジェクトが選ばれます。
本プロジェクトでは、施工中の船舶航行や荷役の継続が求められる中、回転切削圧入工法「ジャイロプレス工法®」が採用され、接岸や荷役に影響を与えることなく鋼管杭による自立式岸壁を構築しました。本件は、本邦独自の技術が開発途上国の建設課題を解決した好例として ODA 関係者から注目され、メディアや各種セミナーで広く紹介されました。
当社グループは今後もオンリーワンの技術を生かしながら質の高いインフラ整備を進め、世界の様々な建設課題の解決に貢献していきます。
※ プロジェクト単位の受賞となり、代表して国土交通省港湾局、国際協力機構、三井共同建設コンサルタント株式会社、株式会社建設技術センター、東亜建設工業株式会社が受賞しました。「貢献した技術者」として技研施工から3名が選出されています。
■土木学会賞技術賞(Ⅱグループ)
土木学会賞は 1920 年、土木工学の進歩や土木事業の発達、土木技術者の資質向上を図ることを目的に、公益社団法人土木学会が「土木賞」として創設しました。功績賞、環境賞など 10 分野の賞で構成されています。
■セネガル国ダカール港第三埠頭改修計画
セネガル共和国・ダカール港において、技研施工が鋼管杭回転切削圧入工法「ジャイロプレス工法®」による延長約 350m の岸壁改修工事(圧入工事部分)を 2021 年 3 月に完了した案件です。
【他工法では安全性に課題】
ダカール港はセネガル唯一の国際港湾です。内陸国向け貨物の流通量が年々増加している一方、それを扱う第三埠頭は老朽化が著しく、荷役に支障が生じていました。また、水深が浅く大型船舶が寄港できないことからも、岸壁の再構築が急務でした。
当初はコンクリート製のブロックを海中に積み上げる計画が立てられました。しかし、岸壁位置を海側へ約 22m前出しするため、対岸埠頭との間が狭まり、船舶運航の安全性や利便性が低下する恐れがありました。また作業台船を使用するため、工事中の接岸や荷役の安全性にも課題が残りました。
【「ジャイロプレス工法®」で課題をクリア】
鋼管杭による岸壁なら前出し幅を自由に選定できます。今回はブロック式に比べ約 16m 短縮した 6mに抑えました。また、鋼管杭の施工方法の中でも「ジャイロプレス工法®」であれば、圧入機本体が既設杭上を自走して施工できるため作業台船が要らず、船舶の接岸や荷役に影響を与えません。加えて、鋼管杭の先端に切削爪を付けて回転切削圧入することで、岩盤や捨石層に直接貫入が可能。仮設工事をはじめ、事前掘削や地盤を置き換える工程が不要になるため、他工法と比べてスピーディーに完工できます。これらの特長が大きく評価され、採用に至りました。
■事業概要
■参考
「令和 4 年度土木学会賞 技術賞受賞一覧」(公益社団法人土木学会)
https://www.jsce.or.jp/prize/prize_list/2_gijutu.shtml
■技研グループ概要
「圧入原理」を世界に先駆け実用化した杭圧入引抜機「サイレントパイラー®」を製造開発し、その優位性を生かしたソリューションを提案・実践しています。無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や津波、洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築――。圧入技術が提供するオンリーワンの価値は、世界の建設課題の解決や国土防災に貢献しており、採用実績は 40 以上の国と地域に広がっています。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社技研施工
東京本社/千葉県浦安市港75番地1
TEL:047-318-9111(平日8:00~17:00)
高知本社/高知県高知市布師田3948 番地1
TEL:088-803-1192(平日8:00~17:00)
E-mail:sekok-somu@giken.com